【2】プロレスリング・ノア12.3ディファ有明大会見届け記

入場時から鈴木みのるは怒っていた。

ただ入場時にはその怒りを押し殺しているように見えたが
後から入場してきた杉浦貴の顔を見た瞬間、顔を覆っていたタオルを投げ捨てた。

隠していた怒りの炎が一気に噴き出したように見えた。
こんなみのるを見るのは初めてな気がする。


その怒りが何なのか?
何に怒っているのか?
そもそも本当に怒りなのか?
何か別の感情を隠すための怒りなのか?

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ゴングが鳴り二人は感情をぶつけ合うように肘を打ち合った。
まったく何発打ち合ったのか見当もつかないほど・・・


そして鈴木みのるはずっと声をあげていた。

「来いよ!」
「もっと来いよ!」
「どの口が言ってんだ!」
「もう終わりか!」

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鈴木みのるの怒号は最後は言葉にならず高笑いに変わった。
肘を打ち込まれたびに響きわたる雄たけびにも似た断末魔のような高笑い。



見ているうちに、

みのるが

杉浦に

何かを
渡しているような、
託しているような
感覚になった。

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嫌な、強い、いやらしい、憎らしい 
これまで何度もノアファンに見せつけヒートを買ってきた

本当に嫌な鈴木みのる。


そんなノアでの鈴木みのるの集大成を見せたうえで杉浦によってマットに沈められた。

いや本当に強い、憎き、最上級の鈴木みのるをこの日杉浦に沈めさせたのだ。




案の上、最後の杉浦はノア全選手に宣戦布告をした。
これまで鈴木みのるがやってきたように。

なんというか凄いものを見た。
見に来て、見届けに来てよかった。



思えば、昨年末のみのるが丸藤に負け、杉浦が裏切った大田区体育館大会。
じつはここで鈴木軍撤退のはずだったんではないだろうか?

ただこの時点では丸藤・杉浦以外に際立った選手がおらず興行が足り立たない。
それを踏まえ、この一年で他選手の引き上げを目論見、結果潮崎が、中嶋が、北宮が上がってきた。
現に、この一年丸藤は年初に杉浦にGHCを奪られて以降は矢野とのタッグ、G1出場とノアの一線からあえて少し離れたところにいていたように見える。
すべては新たなタレント、戦力の増強のため。


さらにそれらと敵対するため、強い鈴木みのるを倒したという称号を杉浦に持たせた。
ある意味、杉浦を置き土産のようにして去っていくのかもしれない。














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